合格率だけで情報処理技術者試験の難易度は判断できないと思う理由

情報処理技術者試験

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合格率が低いから、試験を受けるのはやめておこうかな・・

情報処理技術者試験を受けるとき、一度はこう考えますよね。もちろん筆者もそうでした。

しかし数字だけを見てはじめから難易度を判断するのはもったいないです。

「でも高度区分だと20%を切っていて難しそう」とお考えのあなたに、合格率だけでは難易度は判断できない理由をお伝えします。

情報処理技術者試験の合格率を気にしても仕方ないです

正確には「全体の」情報処理技術者試験の合格率から難易度を判断するのはあんまり意味がありません。

その理由は合格率の統計は「やる気のない人」も含んだ数字だからです。

これがどういう意味なのか、何度も受験した体験をもとにご説明していきます。

筆者の情報処理技術者試験の合格歴について

「そもそもこんな記事を書いてるお前誰?」という感じですよね。かんたんに自己紹介させてください。

筆者は IT 企業で働くエンジニア兼ブロガーで、情報処理技術者試験は何回も受験に失敗してきました。

合格した試験区分は以下のとおりです。

体験談のブログ記事がある区分は、上のリストからリンクを貼っています。

情報処理技術者試験の受験率と合格率の見方について

ご存知の方も多いと思いますが、情報処理技術者試験の受験率と合格率を見る方法も簡単にご説明します。

合格率と受験率は IPA(情報処理推進機構)のウェブサイトで、「統計情報」から見ることができます。

リンク:≫情報処理推進機構の統計情報

例えば「統計資料(平成31年度)」から「平成31年度 春期」の「基本情報技術者試験」の受験率と合格率を抜粋すると以下のとおりです。

  • 応募者数:77,470人
  • 受験者数:54,686人(受験率:70.6%)
  • 合格者数:12,155人(合格率:22.2%)

受験率は申し込んだ人のうち、試験を受けに行った人の割合です。

合格率は受験した人の中で、試験に合格した人の割合です。さすがに受験すらしなかった人は合格率には含まれていません。

合格率だけで情報処理技術者試験の難易度は判断できないと思う理由

冒頭でもお伝えしたとおり、合格率の統計はやる気のない人も含んだ数字だからです。

そうは言っても「やる気」は統計上の数字には現れません。

しかし試験を受けたことがある方なら、試験会場で以下のような人を見たことがあるのではないでしょうか。

  • 午前の試験だけでいなくなる人
  • 午後の試験の途中で帰る人

試験の途中で帰る人を批判するつもりはありません。筆者も試験の途中で諦めて帰ったことがあります。

しかし情報処理技術者試験の受験者の中には、以下のようにやる気がある人・ない人どちらも混ざっています。

  • 毎日コツコツ勉強した人
  • 昇進に必要などの理由で仕方なく受験している人
  • まったく勉強していない人

全体の合格率の統計には、これらの人が全部含まれているのです。

社会人よりも学生のほうが合格率が高い試験区分がある

実際に受験してみた中で、勉強時間がダイレクトに試験結果に現れやすい試験区分が一つありました。

それが「私が二ヶ月でデータベーススペシャリスト試験に合格した勉強法」にも書いたデータベーススペシャリストです。

このデータベーススペシャリストについて統計情報の「勤務先別一覧(全国、都道府県別)」を見てみると、年度ごとの社会人・学生それぞれの合格率は以下のとおりです。

年度 社会人の合格率 学生の合格率
平成21年 15.9 % 21.6 %
平成22年 15.7 % 20.9 %
平成23年 17.8 % 28.8 %
平成24年 15.9 % 28.5 %
平成25年 15.8 % 29.7 %
平成26年 16.3 % 27.4 %
平成27年 17.1 % 31.1 %
平成28年 17.1 % 31.4 %
平成29年 13.9 % 30.8 %
平成30年 13.3 % 32.1 %
平成31年 13.7 % 33.5 %

すべての年度で学生のほうが上回っています。

「学生」の中には合格率が低い「小・中学校」も含まれていますが、「高校」から一気に合格率が跳ね上がります。

もちろん先ほど書いたとおり「やる気」を統計の数字だけから読み解くことはできません。

しかし高校生・専門学校生・大学生で受験する方は、以下のような特徴があると想像はできます。

  • 学生のうちに受験する何らかの意志がある
  • 勉強時間を積み重ねることができる

これは間接的に試験に対する「やる気」の強さを表していると言えるのではないでしょうか。

合格できそうかどうかは、全体の合格率ではなくアレを見る

受けようと思っている試験区分に合格できそうかどうかは、まずは全体の合格率ではなく過去問を見てみるのが良いと思います。

本番の試験で過去問と同じ問題が出るわけではありませんが、自分がどのぐらいアウトプットできるかを測るには役立つからです。

勉強法は「効率を重視した情報処理技術者試験の勉強方法まとめ【挫折しないために】」にもまとめています。

何度か試験を受けることでも、アウトプットの経験が積まれていき合格する可能性も上がっていきます。

おわりに

全体の合格率を気にしても仕方がない理由をもう一度まとめます。

それは全体の合格率の統計は、やる気のない人も含んだ数字だからです。

数字も大事ですが、それだけを見て可能性を決めつけないことも大事です。試験を受ける方の参考になれば嬉しいです。