ネットワークスペシャリスト試験に諦めず挑戦し合格できた勉強法

H28 ネットワークスペシャリスト試験

H28 秋期のネットワークスペシャリスト試験に合格しました。

苦手意識を抱いていたネットワーク分野の試験の合格ということもあり喜びもひとしおです。3 回にわたる挑戦でしたが効果があったと思う勉強法をメモします。

ネットワークスペシャリスト試験の概要

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の一区分で、試験制度のスキルレベル4に該当する国家試験です。ネットワークにおける専門性を有することを問われます。

IPAの公式サイトには、対象者像が以下のように定義されています。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者

他の高度試験区分と同様に午前I、II、午後I、II の試験があり、すべての区分で 60 点以上を取得で合格です。

試験の結果

  • 午前I:免除
  • 午前II:76点
  • 午後I:60点 ← ギリギリ
  • 午後II:65点

IPA 公式サイトの合格発表です。午後 I は本当に合格点ギリギリでした。午後試験は自己採点がしづらいこともあり、合格発表までは正直不合格の可能性のほうが高いと思っていました。
H28 ネットワークスペシャリスト試験 点数

合格発表の後日郵送されてきた合格証書です。
H28 ネットワークスペシャリスト試験 合格証書

受験前の私について

地方の中小 SIer に 7 年勤務後転職し、東京の外資系 IT 企業で技術サポートエンジニアとして働き始めて 5 か月目の状況でした。どちらもいわゆるネットワークエンジニア・サーバーエンジニア的な仕事はしたことがなく、これまでの業務経験としては開発や運用保守、サポートなどがメインでした。

ちなみにネットワークスペシャリスト試験は 3 回目の受験で、1 回目、2 回目はともに午後 I が 50 点台で不合格でした。

  • H21秋 基本情報技術者 合格
  • H22春 応用情報技術者 不合格
  • H22秋 応用情報技術者 合格
  • H23春 情報セキュリティスペシャリスト 不合格
  • H23秋 情報セキュリティスペシャリスト 不合格
  • H24春 情報セキュリティスペシャリスト 合格
  • H24秋 ネットワークスペシャリスト 不合格
  • H25春 データベーススペシャリスト 合格
  • H25秋 システムアーキテクト 不合格
  • H26春 プロジェクトマネージャ 不合格
  • H26秋 ネットワークスペシャリスト 不合格
  • H27春 プロジェクトマネージャ 不合格
  • H27秋 受験しませんでした
  • H28春 情報セキュリティマネジメント 合格
  • H28秋 ネットワークスペシャリスト 合格 ← 本エントリはこちら

購入した参考書等

試験対策用

試験対策として最初の受験の前には「ネスペ」シリーズを 3 年分購入しました。過去問を解説している問題集としては群を抜いている内容だと思います。筆者の方の試験に対する考え方やネットワークエンジニアのあり方を考えたコラムも面白いです。

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ネットワークエンジニアとしての業務経験の無さを少しでもカバーするため「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン」を購入しました。Trust・Untrustゾーンに分けた構成や DMZ ありなしの構成が多数記載されており、障害が発生したときにどのようにフェイルオーバーするか等も図解されています。全部を覚えるのは無理ですが、午後 I ・II試験の構成の予習・想定に役立ちました。

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試験対策以外

「マスタリングTCP/IP 入門編」は新卒時代に特に試験対策など関係なしに購入しましたが、ネットワークやプロトコル全般の基礎知識を学ぶのに役立ちました。実務経験を経て何回か読むことで理解が深まる本だと思います。私が購入した当時は第4版でしたが現在の最新版は第5版となっています。

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「[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術」は 2 回目の受験後に購入しました。はてなや KLab などで実際のサービスを 24 時間ダウンさせずに運営するための冗長化/分散方式が解説されており、試験でよくみる DNS ラウンドロビンなども出てきます。
ネットワークの話題からは少し逸れますが、4 章でロードアベレージの計算処理を確認するために Linux カーネルのコードを実際に見てみるといった箇所があります。処理の本質を理解するためにコードレベルで見てみる発想はちょっとした学びでした。

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勉強方法

3 回にわたる受験の中で、効果があったと思う勉強法は以下のとおりです。

過去問を解いた

情報処理技術者試験対策としては王道中の王道ですが、午前試験・午後試験両方において過去問を解くのは試験の雰囲気や時間配分をつかむのに有効だと思います。

過去問演習としては IPA の公式サイトからダウンロードの上印刷して回答し、前述のネスペシリーズでの解説を読んだりそれでもわからないところは書籍やネットで調べたりという形式で実施しました。

個人差もあると思いますが、私にとってネットワークスペシャリスト試験は過去問だけでは突破が難しく、実際の経験不足を補うため以降の実践形式での学習を併せることでより効果が出たと感じています。

ブログを構築・運用した

当サイトはさくらの VPS 上で稼働しており、nginx や MySQL のインストールからチューニング等すべて自前で行っています。業務経験ではありませんが、実際に手を動かしてサイトの裏側の仕組みを構築することは良い経験だったと感じています。

WireShark でパケットキャプチャ・解析してみた

HTTPS 通信の際のハンドシェイクで ClientHello のあとに怒涛の ServerHello ServerCertificate ServerKeyExchange 等が送信されることや、FTP 通信の際に本当にパスワードが平文で見えることなどは、実際のパケットを見てみると理解が進みました。

また私は遭遇したことがないのですが知人のネットワークエンジニアによると、ネットワークが遅い・切れる・アプリケーションで謎のエラーが出るといったときに tcpdump でパケットキャプチャ→ WireShark 等で解析ということはごく普通に行われることのようです。(その方は WireShark など使わないのだとか。。)

AWS で仮想ネットワークを構築してみた

ネットワークを構築したいと考えても、個人の自宅では場所的・金銭的事情により難しいものがあります。それを解決してくれる一つの方法がクラウドです。

AWS 等のクラウドサービスでは仮想ネットワークを構築することができ、例として 192.168.0.0/16 などの IP アドレス範囲でパブリックサブネット・プライベートサブネットに分離した仮想ネットワークを実際に構築してみることができます。

2 回目の受験ぐらいでこれをやってみるまでは正直「/24」などのサブネットマスク計算すらなかなかイメージが沸きづらかったのですが、実際に仮想ネットワークを作ってみることでサブネットマスク計算やルートテーブルの設定などが強烈に記憶に残ります。業務でネットワーク構築を経験していない私には特に効果があったと感じた勉強法でした。

受験当日

午前I

免除でした

午前II

結果としては 76 点と微妙な点数でしたが、過去問で見たことのある問題も多く 60 点はとれただろうという手ごたえがありました。

午後I

問1 、問3 を選択しました(どちらもメール関連)。問1 は構成に関するところはなんとか回答できましたが、サブミッションポート(587番ポート)や MAIL FROM コマンドなど固有名詞が出てきませんでした。

問3 も同様に構成から回答できるところは埋められましたが、メール転送の負荷の偏りが発生しやすい理由として DNS キャッシュが想定できなかったりと、手ごたえとしては半分~よくて6割といったところでした。

午後II

WebRTC や IP-PBX というほぼ初見・馴染みのない題材でしたが問1を選択しました。手ごたえはあまりなかったものの知識として知っていないと回答できない類の問題がほとんどなく、問題文や図から答えが導ける問題が多かったように思います。

おわりに

知識レベルとしてはまだまだだと感じているため、引き続きネットワーク関連の学習や実践は継続が必要ですが試験の合格で少しは自信がついたように思います。

論文がない残りの試験はエンベデッドシステムスペシャリストのみなので、これからは本格的に論文試験の合格も狙ってみたいと思います。